地域防災の観点から見た名古屋市熱田区の特徴について
1. 地形的特徴と水害リスク
- 熱田区は区の東側に比較的地盤の安定した「熱田台地」が広がり、洪水・津波のリスクは低めです。
- 一方、西側や南側の沿岸低地には沖積層が広がっており、液状化・津波・洪水・高潮などのリスクが高く、特に高潮浸水や集中豪雨時の内水氾濫に注意が必要です。
2. 歴史的災害と過去被害
- 1959年の伊勢湾台風では、熱田区全体で浸水被害が甚大となり、区内の約80%にあたる6万4千人が被災しました。
- 1999年の東海豪雨等でも度々浸水被害が発生しており、過去の教訓から水害対策の強化が継続されています。
3. 地震・液状化と津波リスク
- 区全体が南海トラフ地震の想定地域に含まれ、液状化の可能性が高いエリアが広がると地震ハザードマップで示されています。
- 過去の震災(宝永・安政地震)では津波到達の記録があり、震度6強による震動・津波の両方への備えが必要です。
4. 道路閉塞・火災延焼のリスク
- 学区単位の防災カルテによると、西部低地では道路閉塞リスクが20%以上に達する交差点が点在し、震災直後の救援活動に支障が懸念されます。
- 揺れによって火災延焼のクラスターが形成されやすい地域も確認されています。
5. 防災対策・避難体制
- 熱田区では、洪水・内水・津波・地震など全7種類のハザードマップを多言語で整備し、区民に周知されています。
- 区内には6カ所以上の広域避難場所および津波避難ビルが指定されており、迅速な初動と避難が可能な体制が整備されています。
Googleマップ
Google マップのデータは、令和7年2月に名古屋市から公表されたデータを元に取得したものです。
ご利用の際は、最新の情報と異なる場合があることをご承知おきください。
数年間の増減の推移から300か所以上ある緊急避難場所をもつ中川区・港区・南区・緑区で概ね1年ごとに新規拠点が1-2箇所程度の変化がみられ逆に緊急避難場所が100以下の区ではほとんど変化が見られない傾向がありました。防災意識の高まりとともにある程度の増加はあると思われるため一定の期間に情報更新を行う予定です。
ハザードマップ
ハザードマップのデータは、令和7年7月に名古屋市から公表されたデータを元に取得したものです。
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