実務的なケアアセスメント標準化”” R 4””について

ケア

愛知県介護支援専門員協会 資質向上研修:疾患に応じた適切なアセスメントを整理する という日本総研研究所創発戦略センター 斉木大 シニアスペシャリストさんの名古屋市商工会議所で開かれた 研修にR2/7/18行って参りました 

コロナ感染予防の観点からリモートが様々な業界で推進されていますがついにケアプランにもICT 化の流れが来ているようです それは「 R 4」と言われるケアアセスメント様式 実務的なケアアセスメント標準化の流れが来ているようです 

国家が10年のこの取り組み期間を設定し計画で残りの5年後に実務ツールとして実現化される可能性が高いのではないかと感じました

ケアアセスメントには様々なアセスメント方式があります 

包括的自立支援プログラム、 MDS-HC方式、ケアマネジメント実践記録方式、日本介護福祉会方式、日本訪問介護振興財団版方式など様々なシートがありそれぞれの団体が経験的な知見から介護現場における問題を抽出しやすいようなシートになっています このアセスメントはすなわち認定調査に反映され介護度を決定していきます

公益社団法人全国老人保健施設協会が作った「R 4」はICF 手法をアセスメントに反映した様式で医療従事者の視点から見ても親和性が高いものだと思います 純粋にICFを評価記録することは非常に手間のかかる作業ですが項目ごとにステージを設定したことで日本の介護現場にフィットしたアセスメントだと思いました 様々なアセスメント思考を行う思考実験の期間はもう過ぎてしまったのかもしれません いくつかの特徴的な標準的なアセスメントというものがこのような形で提案されることはケアマネージャーが行うアセスメントにかかる時間を軽減し現場で行う対人援助に時間を費やすことができます
標準化するということは思考過程の蓄積という人間にとって必要な経験を簡略化することであるため安易な標準フォーマット利用は演繹的な思考になりやすい傾向があります 経験を積んだ者であれば思考蓄積の結果に標準フォーマットができたことを深く理解できますが経験が浅く思考が浅いものが安易に標準化アセスメントを利用することは思考が硬直化する可能性があるかもしれません 時には帰納法的な思考やその手法について注釈する参考書みたいなものが必要かもしれません  「良い質問には良い答え」が隠れていることを探すことはそのまま主任ケアマネが新任ケアマネに対する研修資料になるかもしれません


駅(R4)というプラットフォームがあればそこに様々な電車(介護事業所・医師会・薬剤師会や地域資源情報)を発着させることができます 社会的コンセンサスを経るには時間や人的サポートが必要かと思いますが一旦WEBで連携が実現した時には利用者と事業所のマッチングを強化することも不可能ではありません  日本の各地には地域連携ネットワーク(主に VPN 接続)が存在していますがそれは限定的なネットワークとして存在していますが皆が違う言語を使っているような阻害因子がありました  R 4は最初の設定から共通言語・地域連携の概念がパッケージされた思考デザインとなっているように感じたのは私だけでしょうか?これがスタンダードになった暁には業務が効率化・迅速化するポテンシャルを秘めています

いままで様々なアセスメント方式があったということは・・・すなわち

自動車の組み立てで表現するとそれは多くの違う規格で作られた部品で車を組み立てることと似ていました トヨタでも最近はユニバーサル方式と言って大まかな部品規格を統一しメーカー内でコスト削減に取り組んでいますがついに介護にもこの流れがきたというところでしょうか  いま社会保障の効率的な運用が求められています 

医療では症状から病名を科学的な手法によって特定し治療します それは原因と結果と言う ニ分律の原則に則り学問として確立しています
かし介護においては高齢者が様々な疾病を持つことの他に世帯類型・生活動態などの要因などが複雑に絡み合い因果律での分析が難しい領域と言われていました 

それが故に様々なケアマネジメント方式があり乱立していました  様々な定規があって当然のことですが 介護保険が始まって20年経った今だからこそ、その原点が問われています  

適切なケアマネジメント方式とは一体何の何でしょうか

実務的な意味でのケアマネジメントの標準化ができないのか
すなわち規格が統一した部品で作られた・・・
すなわち誰でも理解ができる言葉で・・・
すなわち誰でも繋がれる環境で・・・
医療・福祉・行政・シンクタンクなどで議論が重ねられました

現在は””適切なケアマネジメント手法の策定に向けた調査研究””の
疾患別で標準化した
「ケアマネジメントにおけるアセスメント/モニタリング標準化 心疾患がある方のケア」などの様式が PDF で確認することができます (正直に言いますと、この資料はそのまま居宅介護計画書2で使えますwwwできるケアマネージャーと思われたいならばこれを利用することをお勧めします) 

今後も基本疾患別の標準化ケアプランの研究は続き「複数の疾患が複合した様式」や
世帯類型・生活動態などを標本抽出方法として分析・フェイズを分け・構造化する作業によって
「世帯構成別の様式」が進んでいます

ケアマネジメントが自動化されると

テレビでケアマネジメントが自動化されるといった報道がなされていますがすでにそれが目の前に来ていると気づかされました  この標準化様式と地域の社会福祉のマッチングが強化されると医療・介護・地域連携の大きなネットワークが構築されます

ケアマネジメントは様々なバックライセンス・専門的な知見・経験により能力にばらつきがありましたが実務的な意味からのケアマネジメントの標準化が進みますとケアマネージャーの能力均一化が進みます これは介護だけではなく医師の診断技術についても様々な知見がデータベースとして蓄えられ今では IT が医師の診断を補佐する時代になっています これは弁護士という資格においても同様です 更に対人援助技術に磨きをかける必要があり差別化を図る余地があります
ケアマネージャーもこれからはそれらのデータを活用し柔軟にケアマネジメントを組み立てていくことができるようになります 

私たちがそれを受け入れるか受け入れないかの議論についてはまだ時期尚早だという意見もあるかと思います しかしコロナ禍においてはそれらの流れに逆らえない雰囲気があります ケアマネージャーは多くの情報を取得するためのデジタルスキルを磨き高齢者がそれらの情報に触れることができるように橋渡しと自己決定ができる支援を行わなければなりません

地域にはさまざまなローカルルールや手続きが残っています

しかし地域にはさまざまなローカルルールや手続きが残っておりそれら多くの書類への入力と提出など多大な事務作業がケアマネージャーに課されている事実もあります「役所が仕事を作るために仕事をしているのではないか」と思うくらいに事務作業の費用対効果は悪い おそらくこの事実は役所自体も自覚していることだと思いますが・・・(様々な対策を講じなくてはならない役所の構造的な問題だとは思いますが・・・せめて複雑なルールが誰が見ても分かるように役所内共有の非公開で可視化できるフローチャートやテキストリンクぐらいは独自に作っておいて欲しい それを知っている一部の職員だけに口頭で尋ねること自体、体質的に問題があると思います)
上記に記した医師や弁護士の思考フォーマットも既にデータベースとなりました また伝統工芸など一部の人間の感覚的な作業についても細かい数値化・記録化が進んでいます このことは同じ作業を繰り返す行政においても例外ではありません

「もうそろそろ本音で語り合いたい」 「語り合った方が良いのではないか」 

自らが作ったルールや慣習に自らが苦しんでいることに・・密かに・・皆が気付きだしています

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